来住邸

大正７年竣工の旧来住（きし）梅吉住宅は、母屋の全体構造は中央に廊下をはさんだ南北２列の間取りで、南列が接客空間、北列が家族空間、東端が台所、風呂などの空間となっている。明治時代以降に発達した中廊下式の平面形だが、廊下を畳敷きとしたことで南北空間に連続性がある。   母屋座敷の床の間の矢筈張天井のように、見えないところにも凝った手法が用いられている。建築用材の目録、経費出納簿、家政禄などが残り、家屋の履歴がはっきり分かり、当時の最高級の用材と最高の技術を用いた当家屋は、数ある高級民家の中でも特にすぐれており現在では用材の入手はもちろん、建築にあたって釘が1本も使われておらず、技術的にも再現することは容易ではない建物。

来住邸

立派な盆栽が展示されていた   　来住邸施主、梅吉は銀行を興し、発展させた。当時、後の犬養首相が宿泊、日本画家の橋本関雪が逗留するなど、著名人の来歴がある。

来住邸

「まちづくりに役立ててほしい」と市に寄附され、その後多くの方々の協力もあり、一般公開がスタートした。掛軸は伊藤博文書

来住邸

案内の小父さんが障子を外し夏用の格子を見せてくれた

来住邸

この欄間はすべて野菜である